「もっと話せるようになってほしいんです」
未就学のお子さんを育てるママから、本当によく聞きます。
単語は少し増えてきた。
でも、
会話が続かない
「何したの?」に答えられない
自分から話すことが少ない
なんといってるか聞き取れない
そんな姿を見ると、「このままで大丈夫かな…」と不安になりますよね。
でも、言語聴覚士として子どもたちと関わる中で、私はあることを強く感じています。
実は、“知っている言葉の数”より先に大切かもしれないものがある。
それが、
「伝わった!」「わかってもらえた!」
という経験です。
以前関わった4歳くらいのお子さん。言葉は少しずつ増えているのに、なかなか会話が続かない子がいました。
ママもパパもとても頑張っていて、
「これは何?」
「今日なにしたの?」
「ちゃんと言ってみて?」
と、毎日たくさん声をかけていました。
でも、その子はだんだん、答える前に黙り込むことが増えていったんです。
ある日、その子が遊んでるのをそーっとを見てたんですね。
すると、積み木を持ってきて、私に「みて」と言いました。
私はすぐに質問を返さず、「わあ、高く積めたね」「見せてくれてありがとう」と返しました。するとその子は、少し嬉しそうに笑って、また積み木を持ってきてくれました。
子どもにとって大事なのは、“正しく話すこと”より先に、
「伝わった」「わかってもらえた」「受け止めてもらえた」
という安心感だったりします。
語彙力は、安心してやり取りできる土台の上で育っていくことが多いです。
だから、「言わせる」「答えさせる」だけではなく、“伝えたくなる空気”を作ることも、とても大切なんです。
これ、実は会社に入ってきた新人さんと上司の関係でも同じことが言えます。
慣れない職場、知らない人だらけ。
入職初日から話しかけてきてくれたある先輩。
いっつも、「どこに住んでるの?」「セブンで新しく出たスイーツ食べた?」と質問してくる。確かに聞いてくれるのはうれしいけど、ぜんぜん私の話は聞いてくれない。逆に、なんか探りを入れられてる気がして、しんどっ。
それよりも、たまに給湯室であいさつしたときに笑顔で返してくれる上司になら、ちょっと話せるかも。
きっと今読んでいるあなたも経験があるはず。
もしお子さんとの会話で、「もっと話してほしいな」「言葉を増やしたいな」と思ったときは、まず“質問を減らして、間をもつ、共感を増やす”を少し意識してみてください。
例えば、「これ何色?」ではなく、「そのくるまさん赤くてかっこいいね〜!」
「何してるの?」ではなく、「これ楽しそうだね」
そんな小さなやり取りが、“伝わるって嬉しい”の土台になっていきます。
「ちゃんと話せるようになってほしい」
そう思うのは、お子さんを大切に思っているからこそですよね。でも、言葉は“訓練”だけで育つものではなく、「伝えたい」「わかってもらえた」という積み重ねの中で、少しずつ育っていくものだと感じています。
周りの子と比べるより、昨日のお子さんと今日のお子さんを比べて、あ!これできてる!と思うことができる心の余裕も大事。
そんなことわかってるよ!って心の声が聞こえてきそうですが、大丈夫です。
私もそういうことあります(笑)
なんとなーく、あ、ゆみって人がそんなこといってたわと頭の片隅に置いて、落ち着いたときに引き出してくれたらOK。
このSubstackでは、未就学児〜小学生のお子さんの
ことば
滑舌
コミュニケーション
などについて、おうちでできる関わりを言語聴覚士の視点からやさしく発信しています。
「うちの子、このままで大丈夫かな?」
そんな不安が、少し安心に、そして自信に変わるそんな場所になれたら嬉しいです。
もし個別に聞きたいなぁと思ったら、こちらから声をかけてみてください。
24時間受け付けてます。夜中だと寝ててすぐに返信ができなかったりしますが、しっかり読んで遅くても1-2日以内に返事を返します。
ここで出逢ったのも何かの縁ですので、気兼ねなく話してくださいね。お子さんだけでなく、親御さんのことでもいいので。
お待ちしてます。
ゆみより




質問じゃない話しかけもあるんですね。どうしても会話のキッカケって質問から始めなきゃ、という思い込みがありました。間を持つ勇気と、待つ勇気を持ちながら話したいですね。
「言葉は訓練だけで育つものではない」という一節が、とても優しく、そして本質的に心に響きました。私たちはつい、目に見える成果や数値を求めて「ちゃんと言わせよう」と焦ってしまいがちですが、本当に必要なのは、その前段にある「わかってもらえた」という地道な喜びの積み重ねなのですね。質問を減らして間をもつ、という具体的な引き算の関わり方は、焦りがちな日常のなかで忘れそうになる心の余裕を取り戻させてくれる、とても大切な視点だと感じます。